AI活用における課題と新たな業務・役割に関する実態調査を発表
AI利用者が不安なのは「仕事を奪われること」ではなかった
不安1位は「正確性」49.4%、4割に出力内容をチェックする仕事が新たに発生
当社は、全国の20~60代の就業者を対象に、「AI活用における課題と新たな業務・役割に関する実態調査」を実施しました。

生成AIをはじめ、AIの業務活用が広がる中、業務効率化への期待が高まる一方で、「AIによって仕事がなくなるのではないか」という議論もあります。そこで今回は、全国の20~60代の就業者のうち、業務で月1回以上AIを利用している647名に本調査を実施。本リリースでは、そのうち勤務先でAI活用が推進または認められている603名を主な集計対象とし、AI活用において感じている不安・課題と、新たに発生した業務・役割について分析しました。
その結果、AI活用における不安・課題では、「正確性」が49.4%で最も多く、次いで「情報漏洩」41.8%、「判断力の低下」31.2%、「著作権・権利関係」30.7%となりました。一方、「自分の仕事の一部が代替される」は5.8%にとどまりました。
このほか、AI活用における不安・課題と、新たに発生した業務・役割の関係についても分析しています。
■ 調査サマリー
● AI活用における不安・課題の1位は「正確性」49.4%、「自分の仕事の一部が代替される」は5.8%
● AI利用によって新たに発生した業務・役割は「出力内容の確認・品質管理」40.8%が最多
● 「正確性」に不安を感じる人の41.9%に「AIへの指示・活用設計」が発生。不安を感じていない人とは29.1ポイント差
● 「情報漏洩」不安層の58.7%に「出力内容の確認・品質管理」、「著作権・権利関係」不安層の48.1%に「情報管理・ルール整備」が発生
■ 調査結果
● AI活用の不安1位は「正確性」49.4%、「仕事の代替」は5.8%

AI活用において不安・課題に感じることを尋ねたところ、「正確性」が49.4%で最も多くなりました。次いで、「情報漏洩」41.8%、「判断力の低下」31.2%、「著作権・権利関係」30.7%、「評価基準の不明確さ」24.7%、「使いこなせる人との格差」23.4%となっています。一方、「自分の仕事の一部が代替される」と回答した割合は5.8%でした。
AI活用に伴う不安・課題は、仕事の代替よりも、正確性や、情報漏洩、権利関係など、実務上の品質やリスクに関する項目が上位となりました。
● AI利用によって新たに発生した業務・役割は「出力内容の確認・品質管理」40.8%が最多

AIの利用によって新たに発生した業務・役割を尋ねたところ、「出力内容の確認・品質管理」が40.8%で最も多くなりました。次いで、「情報管理・ルール整備」30.5%、「AIへの指示・活用設計」27.2%、「AIを活かした業務改善」24.2%、「社内への活用促進・教育」11.1%となりました。
AIの利用に伴い、出力内容の確認やルール整備、活用方法の設計など、AIを管理・運用する業務・役割も新たに発生しています。
● 「正確性」に不安を感じる人の41.9%に「AIへの指示・活用設計」が発生。不安を感じていない人とは29.1ポイント差

「AI活用における不安・課題」と「新たに発生した業務・役割」の関係を詳しく見るため、回答数の少なかった「自分の仕事の一部が代替される」を除く主要6課題と、5つの業務・役割の計30組をクロス集計し、それぞれ「不安あり」「不安なし」の回答割合を比較しました。その結果、複数の組み合わせで回答割合に差が見られました。
このうち、「正確性」に不安を感じている人では、41.9%が「AIへの指示・活用設計」が新たに発生したと回答しました。
一方、「正確性」に不安を感じていない人では12.8%となり、両者には29.1ポイントの差が見られました。
「正確性」への不安と、「AIへの指示・活用設計」という新たな役割の発生には、関連が見られました。
※本結果は、「正確性」に対する不安と「AIへの指示・活用設計」の発生状況の関連を示したものであり、因果関係を示すものではありません。
● 「情報漏洩」不安層の58.7%に「出力内容の確認・品質管理」、「著作権・権利関係」不安層の48.1%に「情報管理・ルール整備」が発生

さらにクロス集計の結果を見ると、「情報漏洩」に不安を感じている人では、58.7%に「出力内容の確認・品質管理」が新たに発生していました。一方、不安を感じていない人では27.9%となり、両者には30.8ポイントの差が見られました。
また、「著作権・権利関係」に不安を感じている人では、48.1%に「情報管理・ルール整備」が新たに発生していました。不安を感じていない人では22.7%となり、25.4ポイントの差が見られました。
情報漏洩への懸念がある層では「出力内容の確認・品質管理」、著作権・権利関係への懸念がある層では「情報管理・ルール整備」の割合がそれぞれ不安のない層より高くなりました。
※本結果は、不安・課題と新たに発生した業務・役割の回答傾向の関連を示したものであり、因果関係を示すものではありません。
■ まとめ
今回の調査では、AI活用における不安・課題として「正確性」が49.4%で最も多かった一方、「自分の仕事の一部が代替される」は5.8%にとどまりました。また、AIの利用によって新たに発生した業務・役割では、「出力内容の確認・品質管理」が40.8%で最多となり、「情報管理・ルール整備」「AIへの指示・活用設計」が続きました。さらに、AI活用における主要6課題と、新たに発生した5つの業務・役割の計30組をクロス集計したところ、「正確性」に不安を感じている人では「AIへの指示・活用設計」、「情報漏洩」に不安を感じている人では「出力内容の確認・品質管理」、「著作権・権利関係」に不安を感じている人では「情報管理・ルール整備」の割合が、それぞれ不安を感じていない人より高くなりました。
生成AIの普及を背景に、「AIによって人の仕事が代替されるのではないか」という議論があります。一方、今回の結果からは、実際にAIを利用する現場では、AIに業務を任せるだけではなく、その出力を確認する、情報やルールを管理する、AIへの指示や活用方法を設計するといった、新たな業務・役割が生まれていることが分かりました。
こうした結果から、AI活用による仕事の変化は、単純に「人の仕事がAIに置き換わる」というものだけではなく、AIの利用に伴い、人が担う役割も変化していることがうかがえます。具体的には、AIの出力品質を確認する、リスクを管理する、活用方法を設計するといった役割が新たに生まれています。
今後、企業におけるAI活用がさらに進む中では、「どの業務をAIに任せるか」だけではなく、AIを活用するために人が担う役割や、そこに必要となる専門性・スキルをどのように捉えるかも、人材を考えるうえで重要なテーマの一つになると考えられます。
アクシスコンサルティングは、AIによって変化する仕事や役割を捉え、企業に必要となる人材や専門性をつなぐことで、経営課題や事業課題の解決を支援してまいります。
本調査ではこのほか、「AI活用力は個人の市場価値に差を生むのか」「今後5年で仕事内容はどのように変化するのか」「AIを活用して、どのような領域や役割に挑戦したいか」など、AI時代の仕事・専門性・キャリアを全22問から多角的に調査しています。全集計結果をご希望の方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
■ 調査概要
調査方法:インターネット調査
調査ツール:Fastask(株式会社ジャストシステム)
調査対象:全国の20~60代の就業者
対象条件:業務で月1回以上AIを利用している方
スクリーニング調査回答者数:6,604名
本調査回答者数:647名
本リリースの主な集計対象者数:603名(男性426名、女性177名)
※本調査回答者647名のうち、勤務先におけるAI活用状況について「全社的に推進されている」「一部部署で推進されている」「個人利用は認められている」と回答した603名を、本リリースの主な集計対象としています。
本調査期間:2026年9月11日~9月12日
調査内容:AI時代の仕事・専門性・キャリア
設問数:22問
※設問により集計対象者数が異なります。各図表に対象者数(n)を記載しています。
※構成比は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。また、複数回答の設問では、構成比の合計が100%を超える場合があります。
※本調査の詳細な結果をご希望の方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
■ 本調査結果の引用について
本調査結果を引用される際は、「アクシスコンサルティング株式会社調べ」と明記してください。
Web上で引用される場合は、併せてアクシスコンサルティング株式会社へのリンクをお願いいたします。
■ これまでの調査データ
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